◆お酒と睡眠薬、抗不安薬
アルコールは適度に飲めぱ、百薬の長となり、心をリラックスさせ、夜も良く眠れるようになります。これは、アルコールに脳の緊張を抑える作用があり、それが働いているからです。薬にも、不安や緊張を抑える抗不安薬(トランキライザー類)や、睡眠薬にそのような働きがあります。ですから決められた薬用量を服用していても、お酒を一緒に飲むと、脳の緊張を抑える働きが2倍にも3倍にも増強され、前後不覚となってしまいますので、注意してください。
- お酒と一緒に飲む事を注意すべき睡眠薬、抗不安薬は以下のとおり。
抗不安薬・・・セルシン、セレナールなど
睡眠導入薬・・・ハルシオン、アモバンなど
◆お酒と糖尿病の薬
アルコールは多量服用すると、血糖降下作用が出てきます。糖尿病の場合、怖いのは薬の効果が効き過ぎた時に起きる低血糖の症状です。インスリン注射や糖尿病の薬を飲んでおられる方で、過度のお酒を飲まれると、アルコールと糖尿病の薬により、低血糖の症状が出現するので特に注意してください。
- お酒と一緒に飲む事を注意すべき糖尿病の薬は以下のとおり。
インスリン、オイグルコン、ラスチノン、グリミクロンなど
◆お酒と高血圧治療薬
アルコールを多く飲みますと、よく頭がズキズキ、ガンガンいたします。この時、血管は拡がっており、血圧は下がっております。このような状態で高血圧の治療薬が一緒に服用されますと、血圧が下がり過ぎて、低血圧症状が引き起こされます。普段から高血圧の薬を飲んでいる人は、お酒を控えめにしましょう。
- お酒と一緒に飲む事を注意すべき高血圧治療薬は以下のとおり。
インデラル、アダラート、ヘルベッサー、レニベースなど
◆お酒と肝臓の代謝との関係
普段から慢性的にお酒を飲んでいる人(アルコール中毒者)は、月肝臓の中の薬を代謝する酵素の量が、他の人より多くなっています。そのため、いざ、手術の時などに麻酔薬が効きにくいといっだことがよくあります。この現象は他の薬でも同様で、薬の代謝を促進して効果が薄れることが起こります。一方、普段お酒を飲まない人が一度に大酒を飲むと、肝臓の薬物代謝酵素は抑制を受け、一緒に飲んだ薬の代謝も遅延して薬の効果が大きく出てきて、場合によっては薬物中毒を引き起こすことがあります。
以上、普段から何種類か薬を服用しておられる方は、お酒もほどほどにたしなむ程度に抑えることが、薬とお酒の相互作用を避けるためにも賢明なことと思います。
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