寒いところに長くいると、よくかぜを引きます。それは冷たい空気とウイルスや細菌を吸い込んだとき、鼻、喉、気管の粘膜の血管が収縮して線毛の動きが鈍くなるからです。
線毛は、いわば私たちの体の空気清浄機やフィルターとして、チリやホコリはもちろん、ウイルスや細菌の侵入をできるかぎり少なくする働きをします。鼻毛はもちろん、のどから肺へ空気を通す気管の内側にも、線毛がまるでじゅうたんのようにびっしりと並んでいます。線毛は、たえず動いていて、微生物や痰を外へかきだします。線毛の動きが鈍くなると、吸い込んだ少量のウイルスが体の外に排出されずに感染を起こします。
寒さばかりでなく、線毛周辺に水分が不足したときや、日常の食生活が原因で体内の栄養が低下した場合も、線毛の動きが鈍くなり、かぜをひきやすくなります。栄養の低下でウイルスが感染しやすくなるのは発展途上国の研究でよく知られています。
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