予防接種Q&A
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●麻しん及び風しんの予防接種
(質問1)平成18年(2006)6月2日施行の麻しん風しんワクチンに関する政省令改正の内容を教えて下さい。
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(回答)平成18年(2006)6月2日以降は、生後12〜24か月未満(1歳時):第1期と5歳以上7歳未満で小学校に入学する前1年間(4月1日〜3月31日):第2期にそれぞれ1回ずつ、計2回定期接種として麻しん風しん混合ワクチン(MR)あるいは麻しんワクチンあるいは風しんワクチンを受けることになりました。また、予防接種率の確保及び向上ならびに被接種者の利便性、経済的及び肉体的負担の軽減等の観点から、麻疹あるいは風疹に罹ったことがある者、同じ「期」内にすでに麻しんワクチンあるいは風しんワクチンを受けたことがある者、あるいは特に麻しんワクチン、風しんワクチンの接種を希望する者以外は、麻しん風しん混合ワクチン(MR)の接種を選択することが原則として進められています。なお、平成20年(2008)4月1日施行の政省令改正により、麻疹あるいは風疹のいずれかに罹ったことがあっても、麻しん風しん混合ワクチン(MR)の接種が可能となりましたので、麻しんワクチンあるいは風しんワクチンを選択するのは、同じ「期」内にすでに麻しんワクチンの接種を別々に希望する者のみとなりました。2歳以上で2期の接種期間に至るまでの小児、あるいは小学校に既に入学している者のうち、まだ麻しんワクチンあるいは風しんワクチンを受けたことがなく、まだ麻疹あるいは風疹にかかったことがない者については、早急に任意接種として受けておくことが勧められます。自治体によってはこれらの者に対しても任意接種の枠組みで接種費用の全額あるいは一部を負担してくれるところがありますので、お住まいの特別区あるいは市町村にお問い合わせください。2歳以上2期に至るまでの間にいずれかのワクチンを受けた場合であっても、2期の対象年齢になった場合は、PVFの数%を救う意味においても、定期接種として2回目のワクチンを受けることになっています。また、平成20年4月1日から平成25年3月31までの間、中学1年生は第3期、高校3年生は第4期として接種対象者となり、第4期の対象者のうち、平成23年5月20日から平成24年3月31日までの間、修学旅行や学校行事としての研修旅行で海外に行く高校2年生相当者が定期接種の対象者となりました。
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(質問2)近年の麻しんの流行はどのような状況ですか。
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(回答)麻しんは毎年春から初夏にかけて流行が見られます。過去10年の推移をみると、2001年に大きな流行がみられ、その後は徐々に患者数は減少していました。麻しんの流行状況に関する情報は、国立感染症研究所感染症情報センターのホームページで確認することができます。国立感染症研究所感染症情報センターのホームページアドレスは、
http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/index.htmlです。
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●日本脳炎予防接種について
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(質問1)日本脳炎は、国内でどのくらい発生していますか。
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(回答)昭和50年代〜平成3年までは50名を超える発生があった年もありましたが、平成4年以降の報告患者は年間10名以下です。平成22年は4名の報告がありました。平成23年は6月時点で、推定感染地域がインドの報告が1名(70代)ありました。
年
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21
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報告患者数
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3
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3
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4
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近年報告された患者の年齢は、65〜69歳が最も多く、40歳以上が約85%を占めていましたが、 http://idsc.nih.go.jp/iasr/30/352/graph/f3524j.gih)小児の患者も発生しています。なお、詳しい情報は、国立感染症研究所感染症情報センターのホームページをご覧ください。
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(質問2)日本脳炎ワクチンとはどんなワクチンですか。
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(回答)現在使用されている乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンは、日本脳炎ウイルスをVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞)で増殖させて、得られたウイルスを採取し、ホルマリンで不活化(感染性を失くすこと)して製造されたワクチンです。このワクチンは平成21年6月2日以降、定期の第1期予防接種にのみ使用可能とされてきましたが、平成22年8月27日以降は第2期の予防接種にも使用可能となりました。なお、過去に使用されていたマウス脳由来の日本脳炎ワクチンは、マウスの脳の中で日本脳炎ウイルスを増殖させ、得られたウイルスを高度に精製し、ホルマリン等で不活化して製造されていましたが、既に流通しておらず、定期接種にも用いられていません。
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(質問3)乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンは、いつから使用されているのですか。
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(回答)乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンは、平成21年2月23日付で薬事法上の承認を受け、平成21年6月2日から供給が開始されています(ジェービックV)。また、平成23年1月17日付で薬事承認を受け、平成23年4月から供給が開始されているワクチン(エンセバック皮下注用)があります。
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(質問4)乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンを接種することによって、どのような副反応が起こりますか。
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(回答)現在、国内で製造販売され、使用されている乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンは2種類(ジェービックV、エンセバック皮下注用)あります。各製剤の臨床試験は別々に行われたものであるため比較はできませんが、ワクチンの添付文書によると、生後6月以上90月未満の小児で、以下の副反応が認められたとされております。ジェービックVでは、123例中49例(39.8%)に副反応が認められ、主なものは発熱(18.7%)、咳嗽(11.4%)、鼻漏(9.8%)、注射部位紅班(8.9%)であり、これらの副反応のほとんどは接種3日後までに認められています。また、エンセバック皮下注用では、163例中84例(51.5%)に副反応が認められ、その主なものは発熱(21.5%)、注射部位紅班(16.6%)、咳嗽(8.0%)、注射部位腫脹(6.7%)、鼻漏(6.7%)、発疹(5.5%)であり、これらの副反応のほとんどは接種3日後までにみられています。なお、その他にショック、アナフィラキシー様症状、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳症、けいれん、急性血小板減少性紫斑病などの重大な副反応の発生も、完全には否定できません。平成21年6月2日から平成23年1月31日までに、厚生労働省に届けられた定期の乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン接種に関する副反応報告数(「予防接種実施要領」に基づく副反応報告数)は182件(137人)で、内容は39℃以上の発熱74件、全身発疹14件などで、重大な副反応はございませんでした。(平成23年1月31日現在)
※なお、日本脳炎ワクチン以外のワクチンの接種後に、因果関係は不明だがADEM発症との報告はあります。また、海外においても他の細胞培養ワクチン接種後にADEM発症との報告があります。
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(質問5)通常の日本脳炎予防接種はどのように実施されていますか。
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(回答)予防接種法に基づく通常の定期予防接種スケジュールは以下のようになっています。
○第1期(3回) 初回接種(2回):生後6か月以上90か月未満(標準として3歳) 追加接種(1回):初回接種後おおむね1年後(標準として4歳)
○第2期(1回):9歳以上13歳未満(標準として9歳) 一方、予防接種法第3条1項に基づく予防接種施行令第2条により、日本脳炎の発生状況等を検討して、予防接種を行う必要がないと認められる地域を都道府県知事が指定することができるようになっています。この規定に基づき、従前から、日本脳炎ウイルスのまん延が少なく患者がほとんど発生していない北海道では、日本脳炎の定期予防接種は実施されていません。
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(質問6)平成23年度の日本脳炎ワクチン接種の積極的な勧奨はどのような内容ですか。
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(回答)日本脳炎の予防接種については、マウス脳由来の日本脳炎ワクチン接種後に重症ADEM(アデム、急性散在性脳脊髄)を発生した事例があったことから、より慎重を期すため、平成17年5月30日に定期予防接種としての日本脳炎ワクチン接種の積極的な勧奨を差し控えるよう市町村に勧告し、希望する者に対してのみ、定期接種を行って差し支えない旨の対応をお願いしてきました。その後、平成21年2月に乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンが開発され、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会の下に設置された、日本脳炎に関する小委員会において専門家に検討いただいた結果を踏まえ、平成22年度から積極的勧奨を再開することとしました。平成23年度は、日本脳炎の第1期接種(初回及び追加)の標準的な年齢である3歳と4歳のお子さんについて、積極的な勧奨を行い、それに加え、日本脳炎の第1期予防接種が十分に行われていない可能性がある9歳と10歳のお子さん(小学3、4年生)に対する積極的な勧奨を行うよう、平成23年3月31日付で市区町村にお伝えしたところです。
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(質問7)従来使用していたマウス脳を用いた方法で製造された日本脳炎ワクチンで、過去に1期の接種をしたことのある方が、現在使用されている乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンで残りの回数の接種を受けることは可能ですか。
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(回答)従来使用していたマウス脳由来日本脳炎ワクチンで、過去に1期の接種したことがある方が、現在使用されている乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンで1期の残りの回数や2期の接種を受けることはできます。なお、このような場合について、平成22年度の厚生労働省科学研究事業で、288名(1期初回2回をマウス脳由来・1期追加を乾燥細胞培養81名、1期3回を乾燥細胞培養・2期を乾燥細胞培養46名、1期3回マウス脳由来・2期を乾燥細胞培養161名)の接種前後の中和抗体価の測定が行われましたが、以前にマウス脳由来日本脳炎ワクチンの接種を行っていた人に乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンを接種しても、抗体価の有意な上昇が確認されました。また、ワクチン接種と関連がある重篤な有害事象は報告されませんでした。
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(質問8)平成17年の積極的な勧奨差し控えによって接種機会を逃した方は、予防接種法に基づく接種は可能ですか。
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(回答)平成17年以降に日本脳炎の標準的な接種年齢(第1期:3歳〜4歳、第2期:9歳)に積極的な勧奨が行われていないと考えられる平成7年6月1日から平成19年4月1日までに生まれたお子さんについては、平成23年5月20日付で予防接種法施行令が改正され、20歳になるまでの間、日本脳炎の定期予防接種を受けることができるようになりました。また、平成19年4月2日から平成21年10月1日に生まれたお子さんで、平成22年3月31日以前に、第1期の接種(計3回)を受ける機会を逃した方が、不足分の回数を予防接種法に基づいて接種できるよう、平成22年8月に予防接種実施規則を改正しました。接種が可能な対象年齢は、生後6月〜90月(7歳6か月)までの方及び9歳以上13歳未満の方です。
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